外国為替及び外国貿易法(外為法)の概要

外国企業が日本で事業を開始または拡大する際には、外国為替及び外国貿易法(「外為法」)に基づく対内直接投資規制に留意する必要があります。

外為法上、外国で設立された法人だけでなく、外国投資家に支配されている一定の日本法人も「外国投資家」とみなされる場合があります。そのため、まず投資主体が外国投資家に該当するかを確認することが重要です。

外国投資家が日本で支店を設置する場合、日本企業の株式を取得する場合、M&Aを通じて事業を承継する場合、または一定規模以上の融資を行う場合には、外為法上の手続が必要となることがあります。

投資先の業種や投資家の属性によっては、事前届出または事後報告が必要です。事前届出は、防衛、半導体、ソフトウェア、重要インフラなどの国家安全保障に関連する指定業種への投資について一般的に求められます。この場合、原則として届出後30日間は投資を実行できず、当局は取引内容を審査し、国家安全保障上の懸念がある場合には、投資内容の変更や中止を求めることがあります。

事前届出が不要な場合であっても、一定の投資については事後報告が必要となることがあり、通常は投資完了後45日以内に報告を行わなければなりません。

外為法に違反した場合には、取得した株式の処分命令などの行政措置に加え、刑事罰が科される可能性があります。そのため、外国投資家は、日本で事業を開始する前に、自らの投資が外為法上の規制対象となるかを十分に検討することが重要です。